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コンプレックス

コンプレックスの定義

コンプレックスとは、ユング,C.G.により定義された
精神力動論における概念で、心的複合体と訳さます。

ユングは、言語連想検査による研究を通じて、
コンプレックスの存在を提唱しました。

エディプス・コンプレックスエレクトラ・コンプレックス劣等コンプレックス
などが特に有名ですが、その他、いろいろな種類のものが存在します。

コンプレックスは、さまざまな心理的構成要素、
例えば、衝動・欲求・観念・記憶などが、
何らかの感情により複雑に絡み合ったものを指します。

無意識に抑圧されているため、うまく言葉で説明できません。
しかし、自分自身、気づかないうちに自我を脅かすような
強い情緒的反応を引き起こします。

そのため、例えば、他のことであればそんなことはないのに、
ある特定の事柄についてのみ極端に感情的になってしまったり、
妙にこだわってしまったりといったことが起こるのです。

フロイト,S.は、神経症症状を無意識に抑圧されたコンプレックスが
形を変えて現われたものであると説明しています。

コンプレックスに関連するキーワード

ユング,C.G.
心的複合体
言語連想検査
無意識
神経症

コンプレックスのここをチェック

さまざまな種類のコンプレックスがありますが、
特に、フロイト,S.のエディプス・コンプレックスについては
押さえておく必要があるでしょう。

エディプスコンプレックスとは、精神分析的発達段階における
男根期(3〜5歳頃)に生じる、、父−母−自分という
三者関係に生じる無意識的葛藤を指します。

「異性の親に対する一体化願望」と、
それに伴う、「同性の親への強い敵意と対抗心」、
また、「同性の親からそのことで罰を与えられるのではないかという不安」
といったアンビバレントな心理の抑圧状態です。

「エディプス・コンプレックス」という語は、
主に男の子の場合に用いられ、
これが超自我の形成のもとになるとされています。

同性の親から罰を与えられるのではないかという不安は、
男の子の場合には、自分の男根を切り取られるのではないかという去勢不安です。

ジレンマに陥った結果、子どもの欲求は
エディプス・コンプレックスの葛藤と克服を機に捨てられ、無意識に抑圧されます。
こうして、それまでは曖昧だった意識と無意識の境界が明白に形成されるのです。


子どもはエスから自我を派生分化させて、つまり抑圧によって
近親相姦的願望や去勢不安などを無意識に押し込めることで、
現実的な自我を作ります。

また父親と対立するために同一化した部分と、
禁止事項とが合わさり、超自我が形成されることになります。
このようにして、3つの心的構造が作られるとフロイトは考えました。

バリント,M.によれば、このエディプス的な3者関係の葛藤を
乗り越えることで、自分自身を相対化して自分と相手の役割や立場を
置き換えて理解することが可能となるとしています。


なお、日本においては、アドラー,A.の理論が
受容されやすかったことと、「劣等コンプレックス」が特に
広まったことから、今でも「劣等感」と「コンプレックス」が
同義に用いられる傾向があります。

しかし、ユングの定義によれば、これはイコールではない点に
注意しておきたいところです。

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