リエゾン

リエゾン

リエゾンの定義

リエゾンとは、専門的な連携や協力を意味する、コミュニティ心理学における重要な概念です。

地域精神医療、地域精神保健福祉、総合病院、学校などのコミュニティにおいて、クライエントに関わるさまざまな領域の専門家が、クライエントの問題解決やQOL(生活の質)向上のために行う、チーム医療、チーム保健福祉の活動形態を指します。

具体的には、互いの専門性に応じて、指導者であるコンサルタントと被指導者であるコンサルティという役割を交代して行い、チームとして関わっていきます。

 

リエゾン精神医学という場合には、一般的な身体医療の中で患者が抱える精神的な問題について、身体科と精神科が連携する、つまり、医療チームに精神科医が加わることを指します。

病院や学校といった、システムが持つ機能を最大限に活かすことを目的に、メンバー間の相互作用を促進するのがリエゾン機能の意義と言えます。

リエゾンの関連キーワード

  1. コミュニティ心理学
  2. リエゾン精神医学
  3. チーム医療
  4. コンサルテーション

リエゾンの補足ポイント

例として、医療現場における終末期医療のケースを考えてみましょう。

医学的治療においては、医師がコンサルタントの立場となり、他の専門家、つまり看護師や臨床心理士などがコンサルティとなります。

入院生活の援助に関しては、看護師がコンサルタントに、医師や臨床心理士がコンサルティとなります。

そして、患者の不安や死への恐怖、抑うつといった心理的問題に関しては、今度は臨床心理士がコンサルタントに、医師や看護師がコンサルティとなるのです。

このように、相互に役割交代をしながら連携し、患者と関わっていく形をとっていくのがリエゾン機能です。

 

リエゾンと似たものにコンサルテーションがあります。

これらは、明確な区別なくほぼ同義のものとして扱われることも多いですが、厳密に言うと、以下の点が異なるとされています。

コンサルテーションは、何か問題や症状などが生じたときに、その専門家に依頼や相談をすることを指します。
一方、リエゾンは各分野の専門スタッフらが、あらかじめ普段から検討会などによる連携を取り、問題や症状の悪化の予防や早期発見、また、対応するスタッフや家族の教育にもあたるのが特徴です。

また、コンサルテーションではコンサルタントである専門家から得られた助言を実際のケースに取り入れるかは、コンサルティの判断に委ねられますが、リエゾンではスタッフ間の話し合いにより、治療方針を決めるところも相違点として挙げられます。

MEMO

編集中