共感

共感

共感の定義

共感とは、他者が抱いている感情を感じ取り、同じような感情を自分も体験することです。

本来は自分のものではない、他人の感情によって生じる代理的な感情体験を共感と言います。

共感は嬉しい、楽しいなどの肯定的な感情についても、また悲しい、寂しいなどの否定的な感情についても使われます。

 
共感と似た言葉に同情がありますが、こちらは否定的な感情を感じ取る場合を指します。

ただし、同情の場合は必ずしも他者と同じ感情を体験していなくても用いられることがある点が異なります。

 
共感のプロセスは、他者が感じていることを認識し、その人の立場に自分を置いてみたらどう感じるかを推測し、他者が感じていると思われる感情を共有することです。

共感の関連キーワード

  1. 同情
  2. 共感性
  3. 社会的感受性
  4. 共感的理解

共感の補足ポイント

他者に共感できる能力のことを共感性と言い、共感性が高い方が対人関係が円滑になりやすく、周囲で起きていることを理解する社会的感受性が高いと言われています。

例えば、友人同士で何人か集まって過ごしている時、ある人がいつもより口数が少なく、どこか浮かない表情をしていたとします。

その様子を見たある人は、何かあったのだろうかと気づいてあげたり、体調が悪いのだろうかと心配するかもしれません。

ですが別の誰かは、その友人がいつもと様子が違うことに気がつかなかったり、気づいてもあまり気に留めないかもしれません。

 
共感性がとにかく高ければよいかというと必ずしもそうではない時もあります。

相手の気持ちに過度に共感すると、冷静ではなくなってしまい、落ち着いてアドバイスをすることもできなくなってしまうかもしれません。

別な人の立場になって気持ちを理解し、考えられると同時に、自分と相手との適切な距離感を保って人と接することができるのが理想的です。

MEMO

臨床心理学においては、カウンセラーに必要とされる能力の1つとして共感的理解の力が挙げられています。

カウンセラーは、クライエントの気持ちを感じ取ることができ、同時にクライエントの感情に揺さぶられない中立性を維持できることが特に重要です。

こうした能力は、カウンセラーが持つ元々の共感性に加えて、専門的なトレーニングを受けることで培われていきます。