教育相談の定義
教育相談とは、学校教育場面において、子どもたちが示すさまざまな問題や悩み事について支援を行うもので、子ども本人、保護者や教師を対象に、助言や指導を行います。
教育相談所などで、臨床心理士などのカウンセラーが行う教育相談は、不適応行動や心理的な悩みの支援が中心になります。
一方、学校の中で教育相談担当教員が行う場合は、学業や日々の生活に関する相談、進路相談なども含まれてきます。
その中で解決しきれないほどの問題が生じた場合は、スクール・カウンセラーや外部の教育相談所に相談するということもあります。
教育相談の形態としては、直接顔を合わせての面談によるもの、電話によるものの他、カウンセラーが家庭を訪れて行う訪問相談などがあります。
教育相談の関連キーワード
- 治療的教育相談
- 開発的・予防的教育相談
- スクール・カウンセラー
- カウンセリング・マインド
教育相談の補足ポイント
教育相談の中でも、特定の悩み事があり、問題解決的な、または心理療法的な関わりを主とするものを治療的教育相談と呼びます。
それに対して、日常的な関わりの中で子どもたちの成長を促したり、問題を事前に予防することを目指すものを開発的・予防的教育相談と呼んでいます。
近年の学校での教育相談においては、教員もカウンセリング・マインドを身につける必要があるとする傾向にあります。
しかし、教育的なアプローチと心理的なアプローチが必ずしも一致しない場合もあり、学校教育の専門家とはいえ、教員が一人で教育指導と教育相談を行うのは難しいことも多いものです。
治療的教育相談の場に持ち込まれる内容としては、不登校、学校に馴染めない、勉強についていけないといった学校生活に関係することの他、友達とのトラブルが多い、チックがある、万引き癖がある、家庭内暴力をするといったものもあります。
こうした心理的な要因が大きく介在する問題については、学校心理士や臨床心理士などの心理学の専門家が力添えをすることで、解決の糸口が見つかる可能性も高まります。
心理士が治療的教育相談に関する問題について考察して教員に助言し、問題発生の予防も含めた子どもたちへの日々の関わりは学校教員が主に行うといった役割分担が、教育現場では重要となってきます。
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