CATEGORY 基礎理論

臨床心理学の基礎理論に関連する専門用語について解説しています。

ケース・フォーミュレーション

2024年9月17日

ケース・フォーミュレーション

ケース・フォーミュレーションの定義 ケース・フォーミュレーションは事例定式化ともよばれ、クライエントが抱える問題を把握して、それを解決するためにどのように介入するとよいかを考え、そして、その介入の有効

心理アセスメント

2024年8月9日

心理アセスメント

心理アセスメントの定義 心理アセスメントは、心理職の中核業務の1つです。 公認心理師法の第二条には、公認心理師の4つの業務が記載されており、その中の1番目に「心理に関する支援を要する者の心理状態を観察

病態水準

2023年5月9日

病態水準

病態水準の定義 病態水準とは精神疾患の重症度を表す分類のことです。 精神機能の働き具合や成熟度に応じて、何段階かに分けて評価します。 精神医学において、パーソナリティや気質と精神疾患の重症度とを関連さ

レジリエンス

2023年4月3日

レジリエンス

レジリエンスの定義 レジリエンスとは、弾力性、回復力、耐久性、元の状態に戻る力や性質といった意味を持つ言葉です。 これは脆弱性の反対の概念であり、脆弱性とは、感情的苦痛に対する感受性の強さを意味し、病

エビデンスベイスト・アプローチ

2023年2月4日

エビデンスベイスト・アプローチ

エビデンスベイスト・アプローチの定義 心理療法には精神分析療法、認知行動療法、クライエント中心療法など、さまざまな種類がありますが、その中でも実証的なデータや根拠、すなわちエビデンスがあることが客観的

生物・心理・社会モデル

2023年7月28日

生物・心理・社会モデル

生物・心理・社会モデルの定義 生物・心理・社会モデルとは、健康について多面的・包括的に捉える理論モデルのことです。 かつて健康状態や疾患は、何らかの原因があって疾患や障害が生じるという直線的な因果関係

対人関係論

2021年6月18日

対人関係論

対人関係論の定義 対人関係論とは、アメリカの精神科医であるサリヴァン, H.S.による、精神病理に関する理論体系です。 サリヴァン,H.S.は、当時不治とされていた統合失調症の治療に力を注ぐ中で、「精

自我心理学

2021年5月7日

自我心理学

自我心理学の定義 自我心理学とは、フロイト, S.によって創始された精神分析の考え方の中のうち、自我の機能を中心として人間の心を捉えようとした学派です。 1940年代から1960年代にかけてアメリカで

愛着

2021年2月8日

愛着

愛着の定義 愛着(アタッチメント)とは、人や動物が、特定の対象に対して形成する、特別な情緒的結びつきのことを指します。 愛着形成のあり方は、乳幼児の発達はもちろんのこと、青年期や成人期などのその後の人

分離・個体化理論

2020年11月13日

分離・個体化理論

分離・個体化理論の定義 分離・個体化理論とは、小児科医であるマーラー, M.S.によって提唱された、生後5ヶ月から3歳までの乳幼児の精神発達に関する理論です。 マーラーは、新生児が母親との共生状態、つ

置き換え

2020年6月18日

置き換え

置き換えの定義 置き換えとは、自我の防衛機制の1つであり、精神分析を創始したフロイト,S.が提唱した概念です。 人は周囲の誰かや何かに対して、例えば愛情や怒りなどの心的エネルギーを向けることがあります

人間性心理学

2020年3月8日

人間性心理学

人間性心理学の定義 人間性心理学とは、人間の正常で健康な側面を重視する心理学の分野の1つであり、代表的な研究としてはマズロー,A.H.の自己実現理論などがあります。 人間性心理学は、行動主義と精神分析

劣等感と優越感

2020年1月9日

劣等感と優越感

劣等感と優越感の定義 劣等感とは、自分に関連する事柄について、自分が他者よりも劣っているという感覚のことです。 逆に優越感とは、他者よりも自分が優れているという感覚を指します。 具体的な事柄としては、

投影

2019年12月17日

投影

投影の定義 投影とは、精神分析の概念である防衛機制の1つです。 感情などの、自分が心の内に抱いている心理的な要素を、自分ではなく他の人が持っていると捉えようとする心の働きを指します。 ある人のことが好

対象喪失

2018年2月21日

対象喪失

対象喪失の定義 対象喪失とは、自分にとって大切なものを失うことです。 ここで言う対象とは、強い情緒的な結びつき、すなわち愛着を感じる存在のことを言います。   対象は近親者や友人など実在する

ICD

2018年2月21日

国際疾病分類

国際疾病分類の定義 臨床場面で医師が患者さんを診断する際には、何らかの診断基準を用いることが一般的です。 診断基準の1つに国際疾病分類(ICD)というものがあり、これは現在では世界保健機構(WHO)が

モノアミン仮説

2018年2月21日

モノアミン仮説

モノアミン仮説の定義 うつ病はさまざまな要因が重なって生じると言われています。 要因として挙げられるのは、ストレスなどの心因、遺伝などの内因、そしてホルモンバランスや脳卒中後遺症などの身体因などです。

バーンアウト

2018年2月20日

バーンアウト

バーンアウトの定義 バーンアウトとは、普通かあるいはそれ以上に熱心に仕事に取り組んでいた人が、ある時突然意欲を失い、働くことすらできないような状態になってしまうことです。 こうした状態のことを、197

神経伝達物質

2018年2月20日

神経伝達物質

神経伝達物質の定義 神経伝達物質とは、神経細胞同士の情報伝達を促す化学物質の総称です。 神経伝達物質の中には、アセチルコリンやアドレナリン、ドーパミン、セロトニンなどが含まれます。 神経伝達物質は神経

自律神経系

2018年2月4日

自律神経系

自律神経系の定義 自律神経系とは身体の中の神経系の一部です。 意志でコントロールできない部分ですが、逆に意識しなくても生体内のバランスを保つ働きをしてくれています。   自律神経系には交感神

コンプレックス

2018年2月4日

コンプレックス

コンプレックスの定義 コンプレックスとは、ユング,C.G.により定義された精神力動論における概念で、心的複合体と訳されます。 ユングは、言語連想検査による研究を通じて、コンプレックスの存在を提唱しまし

構造論

2018年2月1日

構造論

構造論の定義 構造論とは、フロイト,S.により提唱されたパーソナリティ理論である心的装置論の1つです。 局所論の後に示されたもので、「第2局所論」とも呼ばれます。 イド、自我、超自我という3つの構造と

局所論

2018年1月31日

局所論

局所論の定義 19世紀、心理学においては「精神=意識」であり、ヴント,W. の構成心理学をはじめとし、意識研究が主流でした。 それに対し、フロイト,S.は、心の構造には意識と前意識と無意識という3つの

元型

2018年1月31日

元型

元型の定義 元型とは、ユング,C.G.の分析心理学における集合的無意識を形成する象徴的イメージのことです。   ユングは無意識を、個体発生上の衝動や欲求、あるいは葛藤などから構成される個人的

自己愛

2018年1月30日

自己愛

自己愛の定義 自己愛とは、自分自身を対象とした愛のことです。 精神分析の考えでは、リビドーが自己表象に備給されている状態となります。 病的な自己愛の場合、他者との共感や対等な交流が困難で、常に自分自身

抵抗

2018年1月30日

抵抗

抵抗の定義 抵抗とは、精神分析における概念です。   個人が意識化したくない無意識的な衝動・欲求・感情・葛藤が意識化されそうになったとき、それらが意識に入り込んでくるのを回避しようとする防衛

固着

2018年1月29日

固着

固着の定義 精神分析的発達理論においての固着とは、リビドーが特定の発達段階に停滞し、その後のパーソナリティ傾向に影響を与えてしまうことを指します。 これは、各段階でリビドーが十分に解消されなかったり、

カタルシス

2018年1月27日

カタルシス

カタルシスの定義 対処困難な衝動・欲求・感情、あるいはその葛藤などを、言語的または非言語的に表現することを通じて意識化、発散することで、精神症状や問題行動が消失する現象をカタルシス効果といいます。 カ

状態不安・特性不安

2018年1月24日

状態不安・特性不安

状態不安・特性不安の定義 不安とは、自分にとって何か悪いことが起きるのではないかと感じることによって生じる漠然とした気分のことです。 不安の対象が特定され、不安がとても高まると恐怖という気分になります

移行対象

2018年1月17日

移行対象

移行対象の定義 移行対象とはウィニコット,D.Wが提唱した概念です。 移行期と呼ばれる1~3歳頃に、肌身離さず持っている客観的な存在物で、特に不安が高まったときなどに抱きしめたり握り締めたりする愛着対

防衛機制

2018年1月16日

防衛機制

防衛機制の定義 内的葛藤から不安が生じると、それを減じ、なんとか心理的安定を保とうとさまざまな心理的作用が用いられます。 こうした自我の働きを防衛機制と呼びます。   フロイト,S.は、心を

転移

2018年1月16日

転移

転移の定義 クライエントが、過去に重要な他者(両親など)との間で生じさせた欲求、感情、葛藤、対人関係パターンなどを、別の者(多くの場合は治療者)に対して向ける非現実的態度を転移と呼びます。 過去の重要