面接法の定義
面接法とは、面接者である研究者が、被面接者との間での言語的コミュニケーションにおいて表現された内容を、記述・分析する心理学研究法です。
対象者の自己表現を通し、情報を得る方法であることから、対象者の内的世界を把握するのに優れているという点が特徴として挙げられます。
面接法は、その構造から、「構造化面接法」「非構造化面接法」「半構造化面接法」の3つに大別されます。
構造化面接法は、あらかじめ設定された仮説に沿って、事前に質問すべき項目を決めておき、仮説の妥当性を検証するためのデータを統計的に収集することを目的としています。
非構造化面接法は、質問項目を特に用意はせず、被面接者の反応に応じ、自由に方向づけを行います。
多面的・多層的・全体的なデータを収集して、仮説を生成することを目的とした方法です。
半構造化面接法は、あらかじめ仮説を設定し、質問項目も決めておきますが、会話の流れに応じ、質問の変更や追加をおこない、自由な反応を引き出すものです。
面接法の関連キーワード
- 言語的(非言語的)コミュニケーション
- 構造化面接法
- 非構造化面接法
- 半構造化面接法
面接法の補足ポイント
研究者は、被面接者の表現に対し、その場で介入できるため、求めるテーマに合わせて系統的にデータを収集できるという利点が、面接法にはあります。
こうした点で、面接法は対象となっている人々の主観的体験をその背景を含めて把握することを目的とする質的調査において適した方法であるとされています。
ただし、面接法は研究者と研究対象者の相互作用によって成立するため、研究者の影響が及びやすいという特徴も考えられます。
例えば、研究対象者が研究者の期待を察知し、それに合った返答をしてしまう、親しさや信頼感などによって面接で語られる内容が変わってくるといったことが生じる可能性があることを意識しておく必要があるのです。
また、面接では、単に言語的コミュニケーションだけでなく、非言語的コミュニケーションも交わされます。
研究者には、相手の表情や身振りなどを観察し、非言語情報を的確に把握する技能も必要といえるでしょう。
さて、ここまで心理学研究法における面接法について説明してきましたが、心理学において面接というと、クライエントを理解する心理査定(アセスメント)のための面接や、治療に関する心理面接をイメージされる人も多いのではないでしょうか。
試験などにおいて、面接法とそうした査定面接、心理面接を混同しないようにしましょう。
論述問題などで面接に関するテーマが出題された場合には、
どちらについて問われているのか、きちんと意識して解答する必要がありますね。
編集中