ライフサイクル論

ライフサイクル論の定義

ライフサイクル論は、エリクソン,E.H.により提唱された発達段階論です。

人間の発達を、加齢による生物学的な成熟と衰退のみを基礎としたものではなく、「人間とは誕生から死まで生涯をかけて発達する存在である」ことを前提として、出生から、子ども、大人、老人に至るまでの発達を包括的に見ていくことを生涯発達と言います。

エリクソンは、フロイトの心理性的発達段階を拡張し、この生涯発達という観点を明解に示したライフサイクルという概念を示しました。

エリクソンのライフサイクル論によれば、一生は「乳児期」「幼児期」「児童期」「学童期」「青年期」「成人期」「壮年期」「高齢期」という8つの段階に分類されます。

そして、それぞれの発達段階において、乗り越えるべき発達課題があり、それが達成できない場合に心理学的な危機の状態に陥るとしました。

ライフサイクル論の関連キーワード

  1. エリクソン,E.H.
  2. 生涯発達
  3. 発達課題
  4. ユング
  5. ハヴィーガースト

ライフサイクル論の補足ポイント

エリクソンは、一生を8つの発達段階に分けただけでなく、さらに、それぞれの段階において、以下のような発達課題を設定しました。

乳児期:「基本的信頼 対 不信感」
幼児期:「自立性 対 恥」
児童期:「積極性 対 罪悪感」
学童期:「勤勉性 対 劣等感」
青年期:「同一性 対 同一性拡散」
成人期:「親密性 対 孤立」
壮年期:「生殖性 対 自己停滞」
高齢期:「統合性 対 絶望」です。

各段階ごとに、「肯定的側面 対 否定的側面」が対になって設定されていますが、これは、どちらか一方しか獲得できないというわけではありません。
否定的な部分を抱えながらもそれを克服し、肯定的な部分を身につけるという意味でエリクソンは考えています。

もし、ある段階で肯定的側面を獲得できなかったとしても、後に獲得することも可能です。

発達課題という節目とどのように関わるかによって、大きな成長がもたらされる場合もあれば、自分にマイナスな部分が加算されていく場合もあります。
そのため、エリクソンは課題は危機でもあるとも考えました。

MEMO

ライフサイクル論といえばエリクソン,E.H.が最も有名ですが、他にライフサイクル論を展開した心理学者として、ユングハヴィガーストがいます。
それぞれのライフサイクル論についても確認しておくようにしましょう。