有意味受容学習の定義
有意味受容学習は、学校などで勉強を教える教育方法の1つであり、学習内容について効率よく理解を深めるための最適な教授法と言われています。
まず有意味な学習とは何かを考えてみましょう。
有意味学習と対になる言葉として、機械的学習というものがあります。
機械的学習とは、学習内容について深く理解することなしに丸暗記していくような学習のことです。
例えば数学の教科書に載っている公式を取りあえず頭に詰め込み、問題を解けるようにするなどが当てはまります。
それに対して有意味学習は、内容について理解しながら学習することを言います。
新たに学んだ知識が、すでに自分が持っている知識と関連づけられた時に、新たな学習内容をきちんと理解できたと言うことができ、意味のある学習ができたと言えるでしょう。
たとえば理科の授業でからだの仕組みを暗記するだけなら機械的学習ですが、毎日食べた物は胃で消化されたりして栄養を吸収できる、などと理解できれば有意味学習となります。
機械的学習が全く無意味というわけではなく、学校の試験を乗り切るためには有効といった面もあるでしょう。
しかし、それだけでは内容の本質的な理解には至らず、すぐに忘れてしまいがちです。
有意味受容学習の関連キーワード
- 機械的学習
- 有意味学習
- 受容学習
- 発見学習
- 先行オーガナイザー
有意味受容学習の補足ポイント
受容学習とは教員が学習者に一斉授業を行うタイプの学習のことです。
この方法は大勢に対して一度に学習内容を教えられるので、効率がよいというメリットがあります。
しかし、これは学習者が受け身になりやすく、ただ教科書を読み上げてポイントを暗記させるような、機械的受容学習になってしまうとあまり効率が上がりません。
受容学習に対して、学習者自らが試行錯誤して学ぶことを発見学習と言います。
発見学習によって身につけた内容は学習者が実感を伴って覚えることができ、忘れにくいなどのメリットがありますが、学習効率が悪いことも多いものです。
機械的受容学習に陥らせず、発見的要素も加味しながら、有意味受容学習になるように教育や授業を行うと、内容の理解を伴い、また効率のよい学習を提供することが可能です。
すでに学習者が持っている知識と関連づけながら授業を行うと、学習者は教わっている内容の意味を理解しやすくなります。
知識の関連性を無視して、「とにかくこのパターンの問題ではこの公式を使えばいい」などと教えるやり方だと、内容の意味が分からないので記憶が定着しにくく、学習への動機づけも低くなりがちです。
有意味受容学習を助けるものとして、先行オーガナイザーがあります。
新たに学習する内容に関連する抽象的・概念的な枠組みを先に呈示しておくと、新たな内容を理解しやすくなることが分かっています。
先行オーガナイザーとは、学習前にあらかじめ呈示する枠組みのことを言います。
例えばコンピュータについて学ぼうとしている人に対して、人間の頭脳について想起してもらい、CPUは頭脳の考える部分であり、メモリは頭脳の記憶する部分に相当すると解説します。
そうすると教わる側は内容をより理解しやすくなり、有意味受容学習となりやすいでしょう。
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