実験法の定義
実験法は、効率的に精度の高い情報を得ることを目的に、実験を用いてデータの収集・分析する方法を体系化したものです。
原因となる要因(独立変数)を変化させていき、どういった結果(従属変数)がそこに生じるのかを調べていくというのが基本的な流れです。
具体的には、被験者を独立変数の操作を受ける実験群とそれらを受けない統制群に振り分け、ある要因に関して実験操作を行い、それぞれの反応を測定するといった方法をとります。
両群の従属変数の差や違いについて比較検討することにより、独立変数の効果について検証することができます。
つまり、物事の因果関係について検討していくことが実験法の大きな目的であるといえます。
そして、これらの方法を用いて得られたデータは、分散分析をはじめとする各種統計手法によって分析されます。
実験法の関連キーワード
- 独立変数
- 従属変数
- 実験群
- 統制群
- 実験室実験
- フィールド実験
実験法の補足ポイント
実験法は、観察場面に対して何らかの人的な操作を加え、そこで発生してくる行動や事象を観察していく方法です。
つまり、心理学での実験とは、仮説を実際の現実場面に移し、その現実場面のなかで実証的に仮説を検証していく方法といえます。
実験法には、実験室実験とフィールド実験とがあり、実験内容や目的などから合う方を選択します。
実験室実験とは、人工的に実験室において場面や環境を設定する方法です。
操作の自由度が高く、条件の統制が簡単で厳密な実験が可能である一方、人工的であるため、得られた結果の一般化が難しいという点が課題となります。
ただ、基礎的な心理の研究領域ではこの実験室実験が使用されることが一般的です。
一方、フィールド実験とは、現実の生活場面に実験を持ち込んで実施するという特徴があります。
自然体であるがゆえに、状況を統制する事が難しく、余計な要因が入り込んでしまい因果関係が不明瞭になってしまったり、結果に無関係な要因の影響が出てしまったりすることもあります。
また、日常の場面に実験操作を持ち込むためテーマによっては、被験者に対する倫理的問題や道徳的問題を招きかねないため、より細やかな配慮が必要となります。
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