多変量解析

多変量解析

多変量解析の定義

3つ以上の変数に対し、変数間の関係を分析するために用いられる統計的検定を多変量解析と言います。

多変量解析の目的としては、大きく分けて「予測」と「要約」の2つが考えられます。

まず、因果関係が仮定される場合です。
目的変数(従属変数)が量的変数である場合に用いられるパラメトリック検定には、「分散分析」「重回帰分析」「パス解析」などがあります。

目的変数(従属変数)が質的変数である場合に用いられるノンパラメトリック検定には、「判別分析」「ロジスティック回帰分析」「数量化II類」などがあります。

変数間に特に因果関係を設定せず、多数の変数分類したり、少数の変数に統合したり、類似関係を示したりすることを目的として用いられるものには「クラスター分析」「因子分析」「主成分分析」「数量化III類」などがあります。

このように、目的やデータにより、さまざまな手法があるので、研究に適した分析法を選択する必要があります。

多変量解析の関連キーワード

  1. 3つ以上の変数
  2. 因果関係
  3. パラメトリック検定
  4. ノンパラメトリック検定
  5. 因子分析

多変量解析の補足ポイント

多変量解析の中でもよく使われる方法の1つである因子分析ついて、確認していきましょう。

因子分析は、複数ある変数がすべて量的変数であり、かつ変数間に説明変数(独立変数)・目的変数(従属変数)の関係が設定されない場合に用いられる方法です。

変数間の相関関係に基づいて、その変数の背後にある共通の因子を見つけ出し、それにより説明変数を表そうとします。

因子分析で得られる指標には、「因子負荷量」「共通性」「寄与率」があります。

因子負荷量は各変数と各因子の相関を表します。
通常、この因子負荷量が高い変数を考慮して、因子の名前をつけます。

共通性は、各変数と因子空間との相関を表しています。
各変数が因子群によってどれだけ説明できるかを示すものです。

0から1の値をとり、導かれた因子群ですべて説明できるときに1となります。
重相関係数の2乗を用いて共通性を推定すると、
共通性は、各因子負荷量の2乗和となります。
 
寄与率はある因子がどの程度の説明力を持っているか割合を表すものです。

因子分析は、心理尺度を作成する際に、よく利用されます。

因子分析を行うときには、因子の数をいくつに設定するのか、どの手法で因子を抽出するのかなどにより分析結果が異なることを押さえ、目的に応じた因子数、抽出数を、慎重に決定していく必要があります。

MEMO

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