観察法

観察法

観察法の定義

観察法は、心理学における最も基本的な研究法の1つで、観察者が被験者を客観的に観察し、その行動、言動を記録していくものです。

 
観察法には、大きく分けて、自然観察法と実験観察法があります。

自然観察法は、主に仮説設定の準備段階に行うもので、観察対象について、できるだけ主観を加えず、正確に記述・分析するものです。

相関関係は分かりますが、因果関係を確定することはできません。

 
これに対し、実験観察法は、実験アプローチと同様、仮説に基づき独立変数と従属変数を設定するものです。

それ以外の要因となり得るものは一定にする統制条件を整えた上で、独立変数を操作することで従属変数となる被験者の行動や状態を観察・測定します。
そのため、因果関係を検討することが可能です。

 
さらに、自然観察法の特殊形態として参加観察法が、フィールドワークや臨床的な事例研究において重要なものとして考えられます。

観察法の関連キーワード

  1. 自然観察法
  2. 実験観察法
  3. 参加観察法
  4. フィールドワーク

観察法の補足ポイント

参加観察法は、自然観察法の特殊形態です。

研究者自身が研究対象となる現場に身を置き、状況内部から観察したり、共通体験を持ったりすることによる、生態学的妥当性の高い現象把握を行うものです。

特に、臨床事例研究や発達研究などでは、対象とのラポール形成が対象理解にとって不可欠なものであるため、このような方法が重要となってくる場合があります。

 
また、フィールドワークというのは、参加観察法を用いた調査研究法です。
文化人類学や社会学において主要な研究法であり、臨床心理学においても、臨床の場の情報収集のためにも用いられることがあります。

研究者の客観性・中立性を求める自然観察法と大きく異なり、研究者自身が観察現場に居合わせます。

集団とのラポールを形成し、集団の一員として役割を演じることにより、感覚・身体・実体験を通して全体の理解を目指すのが、この方法の特徴です。

研究に先立っての十分な事前調査も必要ですが、研究者の積極的参加者としての姿勢がなにより問われます。

また、記録に際しては、現場の雰囲気をできるだけ再現できるようなフィールドノーツの付け方が重要であり、調査者自身の自己分析、観察対象とのラポールが大切とされています。

MEMO

編集中