アクション・スリップ

アクション・スリップの定義

認知の制御過程における実行段階でのエラーをアクション・スリップと言います。

例えば、ハサミを取りにいったのに、うっかり本を持って戻ってきてしまったというようなミスがこれに当たります。
このエラーは、無意識的に発生するのが特徴です。

アクション・スリップは、決まりきった日常的行動において生じやすいとされています。

その理由としてはいくつか考えられます。
まず、日常的行動は自動化されているため、意識的なモニタリングを行わなくても実行することが可能です。

しかし、そのような行動でも実行中に外的環境の変化や意図の変化などが生じたにもかかわらず、たまたまその行動に注意が向けられなかった場合、アクション・スリップが生じてしまうのです。

また、よく使う行動系列と、普段あまり使われない行動系列とが特定の要素を共有していて、あまり使われない方の行動系列が実行されているとき、途中でもう一方の慣れた行動系列に切り替わってしまう場合にも生じやすいとされています。

アクション・スリップの関連キーワード

  1. エラー(ヒューマン・エラー)
  2. 日常的行動
  3. 無意識的に発生
  4. 反復エラー
  5. 目標の切り替え
  6. 脱落
  7. 転換
  8. 混同

アクション・スリップの補足ポイント

リーズンは、被験者に自分の起こしたアクション・スリップについて、日記形式で2週間にわたり記録させました。
そして、結果をもとに、スリップのカテゴリー分類を行い、その特徴を以下の5つにまとめました。

反復エラーは、すでに行動を実行したにもかかわらず、そのことを忘れて、また同じ行動を繰り返すものです。(コップに水をそそいだことを忘れて、さらにもう一度水をそそいでしまうなど)

目標の切り替えは、一連の行為の目標を忘れ、違った目標に切り替えてしまうことです。(友人の家に行こうとしていたのに、気づいたら職場に向かっていたなど)

脱落は、行為の系列の要素が脱落することです。(お米をといで炊飯器にセットしたのに、スイッチを入れるのを忘れたなど)

転換は、行為の順序を間違えることです。(容器のフタをしめたあとで、物を入れようとするなど)

混同は、ある行動系列に含まれている対象を、他の行動系列に含まれているものと混同してしまうことです。(花を切ろうとして、ハサミではなく缶切りを持って庭に出るなど)

アクション・スリップは、認知システムがうまく働かなかった場合に起こる現象ですが、このような現象を調査することで、正常に働いている認知システムの性質を知ることができるとされています。

MEMO

編集中