同調

同調

同調の定義

自分の意見と異なる他者の行動や意見、あるいは自分に対する期待などによって、自分の意見や行動をその他者に合わせて変えることを同調といいます。

同調が生じる過程には、情報的影響と規範的影響という2種類があるとされています。

情報的影響は、正しい判断を行いたいという欲求による影響で、こうした同調が見られる要因としては、判断の不確かさが挙げられます。

例えば、自己の判断に自信が持てない場合に、”周りの人はどうしているか”を正しいものとして受け入れてしまい、同調行動をとるのです。

 
規範的影響は、他者からの欲求に応えたいという欲求による影響で、こうした同調が見られる要因として、集団への関与の度合いが挙げられます。

例えば、集団が目標達成のために協調性を必要とする時などに、集団の期待に沿おうとして、同調行動をとりやすくなるのです。

同調は、多数者の支配や集団圧力による個人の抑圧などの要因となるものですが、社会的集団の秩序を維持するというプラスの側面もあります。

同調の関連キーワード

  1. 情報的影響
  2. 規範的影響
  3. アッシュ,S.E.
  4. 集団圧力

同調の補足ポイント

同調は、個人が自分の判断に確信を持ち得る状況でも生起するとされており、これに関しては、アッシュ,S.E.による線分の比較判断課題を用いた実験が有名です。

この実験では、互いに知り合いではない8名の学生に対し、2枚のカードを提示しました。

1枚には線分(標準刺激)、もう1枚には3種類の線分(比較刺激)が描かれており、被験者に、標準刺激と同じ長さのものはどれか選ばせました。

ただし、この実験において、本当の被験者は実は7番目に回答する人のみで、残りの学生はサクラとなっています。

線分判断は、線分の長さを少しずつ変えながら18回行われ、そのうち12回は、7人のサクラ全員が同じように誤った回答を行う集団圧力試行でした。

結果、集団圧力条件において、多数者の判断に同調した誤答は32%にも達しました。
注目すべきは、同調した被験者は、回答が誤りだと認識していながらも、同一の回答をして同調してしまったという点です。

このように、他の人が自分と違う判断を示したとき、それが誤りであることが明白でも、周囲の判断に引きずられるということが実験により証明されたのです。

その後の研究において、同調率は課題の重要性や困難度、あいまいさや他者の判断とのズレ、集団凝集性が増すほど増大し、失敗体験や自信が低下しているものは同調しやすいということが分かっています。

MEMO

上述のアッシュの同調実験において、サクラは全員が間違った回答をしていました。

同様の実験を行った際に、多数派の誤答に従わない人が本当の被験者以外にも存在する場合は、被験者の同調行動が激減するということが示されています。

このことは、その場のほとんどの人の意見が一致しているように見える状況にあっても、少数派なりに自分の意見を一貫して述べる人が存在すれば、多数派の意見も変化し得ることを示しています。