ピアカウンセリング

ピアカウンセリング

ピアカウンセリングの定義

ピアカウンセリングとは、同じような悩みを持つ人たちが集まってグループをつくり、対等な立場、同じ仲間として行われる心理学的援助技法です。

ソーシャルサポート・ネットワークの構成要素で、ピアサポートとよばれることもあります。

ピアカウンセリングでは、同じ悩みを共有する仲間がピアカウンセラーとして別の仲間の相談に乗り、一緒に解決策を考えます。
そして、最終的には、ピアカウンセラーの助けがなくても、相談者自身が自分の力で問題を解決できるように導いていきます。

心理社会的な問題を抱えた個人に対し、周囲の仲間が情緒的に支えたり、問題解決のための手段や情報を提供していきます。

ピアカウンセリングを行うにあたっては、事前に心理の専門家からカウンセリングやサポートに必要な態度、技法などの訓練を受けることが不可欠です。

そして、問題を抱える人がそのコミュニティの構成員に出てきたときに、即時に適切な援助ができるように準備しておく必要があります。

ピアカウンセリングの関連キーワード

  1. ソーシャルサポート
  2. ピア・サポート
  3. 自助グループ

ピアカウンセリングの補足ポイント

ピアカウンセリングに関連するものとして、自助グループがあります。

自助グループとは、何らかの困難や問題、悩みを抱えた人が同様な問題を抱えている個人や家族と共に当事者同士の自発的なつながりで結びついた集団を指します。

専門家にグループの運営を委ねず、あくまで当事者たちが独立しているというのが特徴的です。

グループの中では、互いに実名を伏せて、匿名で関わりあうことが多いことから、匿名グループ(アノニマス)という言い方をされることもあります。

グループでの関わりを通して、問題への取り組みや理解における自己変容的な成長や、地域社会との関わり方などにおける変化が期待されます。

 

自助グループは、もともとアメリカのアルコール依存症者の間で生まれたもので、摂食障害、薬物依存、ギャンブル依存ほか、さまざまな嗜癖に悩む人たちのグループが形成されてきました。

現在では、糖尿病やがん患者などの患者会、不登校や発達障害などの問題を抱えた子を持つ親の会など、グループの種類は非常に多岐にわたっています。

MEMO

ピアカウンセリングは、同じ悩みや不安を抱える仲間同士という、対等な立場の人たちによる相互的な支援である点が大きな特徴です。
この手法は孤立感の軽減につながりやすく、そして、当事者同士だからこそ共感し、理解しあえる部分が大きいというメリットがあります。

ただし、多くの場合、ピアカウンセラーは心理的支援の専門家ではないので、専門的な見立てや助言が必要だと考えられる場合は、無理をせず早めに専門家の力を借りる必要があります。

そうした限界も認識した上で実施すれば、ピアカウンセリングは、医療や専門家によるカウンセリングの補完的な役割を果たすことも可能です。