コミュニケーション

コミュニケーション

コミュニケーションの定義

コミュニケーションとは、端的に言うと個体間で情報をやり取りすることです。

特に心理学においては、知識などの単なる情報だけではなく、情緒や意図など、何らかの特別な意味を持った情報を伝えあうことを指します。

伝えたい情報を言葉やジェスチャーなどで記号化して相手に伝え、その記号を受け取った相手が解読することによって、コミュニケーションが成立します。

 
またコミュニケーションは、一方からもう一方へ情報を伝達し、それによって何らかの影響を相手に及ぼすものと言うことができます。

そして、影響を受けた側はそれに対して反応を返し、今度は情報の受け手が送り手となり、相互作用をしながらコミュニケーションが展開します。

コミュニケーションの関連キーワード

  1. 情報伝達
  2. 記号化
  3. 記号の解読
  4. 相互作用

コミュニケーションの補足ポイント

コミュニケーションについて具体例を見ていきましょう。
AさんからBさんへ情報が伝達されることで、2人の間でのコミュニケーションが生じます。

その際、Aさんが何かを伝えたいと思うだけではBさんにその内容は伝わりません。
まずAさんは、伝えたい情報を何らかのメッセージとして記号化する必要があります。

Aさんが部屋が寒いので、Bさんに暖房をつけてほしいと思った時、「いま私は寒い」という情報を、言葉という記号にすれば、他者に伝達可能なメッセージにすることができます。
あとは口を開いてそのメッセージを届ければ、Bさんに意図を伝えることができます。

ただし、記号化とその記号を解読するルールがある程度共通していたり、同じようなものの考え方をする人同志であれば、問題なくコミュニケーションが成立しますが、そうでない場合はやり取りがかみ合わない場合も出てきます。

Aさんが「寒くない?」と伝えてみても、Bさんは「ちょっとね」と返事をして暖房はつけてくれないという場合もあるでしょう。

この場合、文字通り「寒いかどうか」の質問をするコミュニケーションは成立しましたが、Aさんが暗に暖房をつけてほしいと思っているメッセージは伝わりませんでした。

Aさんは寒ければ暖房をつけて快適に過ごしたいと思うタイプだけれど、Bさんは我慢できる範囲なら厚着をして省エネしたいタイプなのかもしれません。

また、Aさんはお互いの暗黙の意図を汲み取って行動することが多い環境で育ったものの、Bさんははっきり意思表示して頼まれたことは行うけれど、余計なお節介はしないという環境で育ったかもしれません。

 
同じような文化で過ごしている人たち同志であれば、コミュニケーションの不具合が生じることは比較的少ないと言えます。

しかし、違う国で育った人同志、違う業界で働いている人同志などがコミュニケーションをする時は、情報伝達の記号化・解読のルールが異なっていないかを注意しながら関わる必要があります。

MEMO

意思疎通の手段として、ジェスチャーや身振り、表情などを用いた身体言語があり、これは非言語的コミュニケーションと呼ばれます。

言語的コミュニケーションと非言語的コミュニケーションを組み合わせると、意思疎通が図りやすくなります。

例えば、広い部屋の中で、「あそこにある本を持ってきて」とだけ言われると、「あそこ」が指す場所がわかりにくいですが、指差しをして空間的情報も一緒に示すと、コミュニケーションが成立しやすくなります。