ラポールの定義
ラポールとはセラピスト・カウンセラーとクライエントの間に、感情の交流を行えるような関係が成立している状態のことを表す語です。
もとは、メスメル,F.A.が動物磁気に感応したセラピストとクライエント間に生じた関係を表現するのに用いた語で、「ラポート」と呼ばれることもあります。
心理療法・カウンセリングにはさまざまな立場があります。
しかし、どのような立場からおこなう場合でも、ラポールは共通したセラピスト・カウンセラーの基本的態度原則として重視されています。
ラポールが形成されると、セラピスト・カウンセラーとクライエントとの間において受容や共感が進み、信頼関係が構築されていきます。
その結果として、治療空間が自由で守られたものとなり、クライエントは安心して自己開示ができるようになるのです。
特に、インテーク面接(受理面接)や面接初期においては、ラポールの形成がその後の治療に大きく影響してくるため、非常に重要だと考えられています。
ラポールの関連キーワード
- メスメル,F.A.
- 動物磁気
- 心理療法・カウンセリング
- 受容と共感
- インテーク面接
ラポールの補足ポイント
ラポールは、一般的に、カウンセリングや心理療法に深く関わる概念であるとされています。
しかし、心理アセスメントにおいても非常に重要なものであることを忘れてはなりません。
例えば、インテーク面接や心理検査の場面において、過度に侵襲的であったり、クライエントに過大な負担をかけたりといったように、ラポールが損なわれることが生じたとしたらどうでしょう。
必要な情報を得られないのはもちろんのこと、クライエントの利益となるための臨床心理学的援助を方向付けるという、アセスメント本来の目的からも外れてしまうことになります。
つまり、検査者・査定者にも、カウンセリングにおける基本的態度が常に大前提として求められるのです。
論述問題では、心理療法やカウンセリングにおいてのラポールの重要性に加え、心理アセスメントにおいても非常に重要であることを合わせて記述できるといいですね。
そうすれば、内容がより深まり、ラポールの必要性をきちんと理解していることをアピールできますよ。
ラポールはお客様との信頼関係を築くという意味で、ビジネス現場でもよく使われるタームです。
同様に心理面接でもクライエントとのラポールを築くことは重要であり、ラポールを構築後に導入することが望ましいアプローチや援助もあります。