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転移

転移

クライエントが、過去に重要な他者(両親など)との間で生じさせた欲求、感情、葛藤、対人関係パターンなどを、別の者(多くの場合は治療者)に対して向ける非現実的態度を転移と呼びます。

過去の重要な他者に向けられていた愛着欲求や依存欲求が向けられることを陽性転移、敵意や攻撃欲求が向けられることを陰性転移と言います。

 

転移は、精神分析・精神分析的心理療法において、とても重要な概念と言えるでしょう。

精神分析では、発達の初期における重要な人物への態度がそのクライエントの基本的態度を構成しており、それが転移反応を介し明らかになるとしています。

転移に、症状や問題行動の背後にある不安、葛藤などが集約され現れると考えているわけですね。

 

したがって、精神分析では、転移の解釈に治療の焦点が当てられます。

転移は無意識的なものなので、精神分析では、クライエントの転移性反応ができるだけ純粋に映し出されるよう、治療者側が中立的態度を保つことがとても重要となります。

覚えておきたい関連キーワード

  1. 精神分析
  2. 陽性転移
  3. 陰性転移
  4. 逆転移

補足ポイント

治療者側がクライエントの示す転移表現に対して、感情的に反応を返すことを逆転移と言います。

広義の逆転移は、クライエントの深層、つまり無意識にある欲動や対象関係を引き出し、それを理解、解釈、修正する上で必要不可欠と考えられます。

つまり、治療に積極的に利用されるものです。

 

しかし、狭義の逆転移は、治療者自身が過去の重要な他者に対して持っていた、無意識的な欲求、葛藤、感情、対人関係パターンの転移であることを指します。

臨床の現場で「逆転移」と言うとこちらを示すことが多いかと思いますが、このような逆転移感情がクライエントに向けられることは治療を妨害するため、抑制、除去されるべきと考えられています。

 

逆転移もまた、無意識的なものであり、治療者自身が気づかないことも少なくありません。

逆転移を自覚するために、治療者は、教育分析や自己分析を通して、自分の中にある無意識の欲求、感情、葛藤などを洞察する必要があります。

それにより、治療場面で逆転移が生じるのをなるべく抑えることができるのです。

 

こうした転移、逆転移という概念は、元々は精神分析における概念でしたが、現在では精神分析のみにとどまらず、カウンセリングやさまざまな心理療法場面で示されるクライエントの非現実的態度一般を指すために用いられています。

MEMO
カウンセリングが進んでいくと、クライエントが子どもの頃に親に対して抱いていた感情が、セラピストに向けられることがあります。これが転移の一例ですね。
「好き」という感情もあれば、「憎悪」「怒り」といった感情をぶつけられることもあるでしょう。
また、境界例のクライエントの場合、激しい転移が起こることが多く、セラピストの逆転移が引き起こされることがあります。

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