チック障害

チック症候群

チック障害の定義

チック障害とは、不随意的・突発的に起こる頻繁な筋肉群の反復運動を特徴とする精神疾患です。

チック自体は一種の癖のようなもので、心と身体の成長過程で多くの子どもに見られますが、これが固定化・慢性化すると、チック障害と診断されることとなります。

具体的には、まばたき、口や鼻のぴくつき、貧乏ゆすり、肩の上下運動などが見られる運動性チックと、罵声や卑猥語、意味のない音声が不随意的に発せられる音声チックがあります。

症状が単一の場合と複数の場合があり、複数の重症な運動性・音声チックが見られるものとして、トゥレット障害が知られています。

 
チック障害の原因としては、心因性と脳器質性が考えられており、心因性チックの場合、治療法として、環境調整や行動療法、遊戯療法などが行われます。

治療の目標は、チックという病気そのものを治すというよりも、チック障害の子どもの治療、つまり、ストレスなどへの適応性を高め、人格の発達援助を目指すことになります。

チック障害の関連キーワード

  1. 運動性チック
  2. 音声チック
  3. トゥレット障害

チック障害の補足ポイント

上述のとおり、トゥレット症候群とは、多発性のチックを主症状とする疾患で、男性に多く見られます。

発症の平均年齢は7歳前後とされ、ほとんどの例が14歳までに発症するとされています。

発症時の症状で最も多いものは、まばたきなどの目の運動性チックであり、次が頭や顔の運動性チックです。
音声チックで発症する例はより少ないとされています。

 
最近の研究では、脳内神経伝達物質であるドーパミンの過剰活動が原因と考えられ、さらにセレトニンの関与も示唆されています。

従来言われてきたような、厳しいしつけや母親の愛情不足によるといったような心理的原因ではなく、生物学的原因によるとされているのです。

トゥレット症候群の家系では、トゥレット症候群やチック障害の出現頻度が高いことから遺伝的要因が強いと考えられ、現在では常染色体優性遺伝ではないかと言われています。

 
また、注意欠如・多動性障害(ADHD)や強迫性障害(OCD)を合併することが多くあります。

他にも、不安・抑うつ気分、衝動性、自傷行為などが認められることが多く、それに伴って不適応を生じやすいとされており、また、自閉症との合併もかなり高率であることが分かってきています。

MEMO

編集中