ブリーフセラピー

ブリーフセラピー

ブリーフセラピーの定義

ブリーフセラピーは、エリクソン,M.の理論による、短時間で問題の解決を図る心理療法で、「短期療法」とも訳されます。

不適応などの問題や、その解決行動に対し、クライエントが用いている特定のコミュニケーションパターンに戦略的に焦点化し、それを変容させることを治療目的としています。

 
ブリーフセラピーは、コミュニケーションパターンのどの部分に焦点化するかで問題焦点型(MRIモデル)解決焦点型(BFTCモデル)とに分けられます。

問題焦点型は、問題を問題として見なすコミュニケーションパターンを変化させることで、問題解決を図る方法です。

解決焦点型は、考えられる解決方法をクライエントが自発的に導き出す手助けをすることで問題を解決を図る方法です。

 
もともと、家族療法のコミュニケーション派から発展していきましたが、家族に限らず、さまざまな社会集団に応用され、また、問題や解決行動に関する特定のコミュニケーションのみを扱うという点において、それらとは異なっています。

ブリーフセラピーの関連キーワード

  1. 短期療法
  2. エリクソン,M.
  3. 問題焦点型(MRIモデル)
  4. リフレーミング
  5. 解決焦点型(BFCTモデル)
  6. 質問技法

ブリーフセラピーの補足ポイント

ブリーフセラピーは、上記の通り、問題焦点型(MRIモデル)と解決焦点型(BFTCモデル)とに分けられます。
それぞれについて、もう少し詳しくみていきましょう。

 
問題焦点型(MRIモデル)は、現在用いられている解決行動自体が問題を維持、再生産させる偽解決になっていると捉えます。

そして、問題を問題として見なすコミュニケーションパターンに焦点化します。

表面的には問題を活性化させるような指示を与えることで逆に悪循環を断ち切る治療的パラドクスを用いて、クライエントのコミュニケーションパターンを変化させ、リフレーミングをもたらすことを目的とします。

 
リフレーミングとは、解釈を変えるため、クライエントの持っている問題の状況や文脈の枠組みを作り変えることです。

つまり、固定化した一面的な見方に縛られたクライエントに、まったく違う角度からの視点を提供することで、物事を多面的に見る柔軟性を取り戻させ、問題を問題として認識しなくさせるのです。

 
解決焦点型(BFTCモデル)では、これまでの人生で用いてきたものを含め、効果があると思われる解決行動を具体的にイメージさせるため、さまざまな質問技法を用いていきます。

そして、解決行動を自発的に導き出させ、問題解決を図っていくのです。

質問技法には、具体的には、
「ミラクル・クエスチョン」(もし奇跡が起きたらどうなるかを問うことで、解決後の状態をイメージさせる)
「サバイバル・クエスチョン」(これまでとってきた具体的行動や態度のパターンの振り返り)
「スケーリング・クエスチョン」(現在の状況を数値化することで、問題の達成度を自覚させる)
「例外の発見」(問題が生じるはずの場面で、例外的に問題が生じなかった状況に注目させる)
などがあります。

MEMO

編集中