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国際疾病分類

ICD

臨床場面で医師が患者さんを診断する際には、何らかの診断基準を用いることが一般的です。

診断基準の1つに国際疾病分類(ICD)というものがあり、これは現在では世界保健機構(WHO)が作成している診断基準のことです。

正式名称は、「疾病及び関連保健問題の国際統計分類:International Statistical Classification of Diseases and RelatedHealth Problem」となっています。

厚生労働省はこの診断基準について、「疾病、傷害及び死因の統計を国際比較するための統計分類」であると説明しています。

 

国際疾病分類という日本語名には馴染みがなくても、ICDという略称であれば聞いたことがあるという人も多いかもしれません。

臨床心理学や精神医学の世界では、アメリカ精神医学会が作成しているDSMと並んで、最もよく使われている診断基準の1つです。

覚えておきたい関連キーワード

  1. 世界保健機構(WHO)
  2. DSM
  3. 統計分類
  4. 神経症

補足ポイント

ICDには身体的・精神的な病気を含むさまざまな疾患について掲載されています。

ICD-10ではその第V章に「精神および行動の障害」が設けられ、そこで精神疾患について詳しく述べられています。

この第V章の中では精神疾患をF0からF9のカテゴリーに分類し、例えばF0は「症状性を含む器質性精神障害」、F9は「小児期および青年期に通常発症する行動および情緒の障害」といった形で近しい疾患をまとめて1つのカテゴリーに含めています。

 

もう1つの国際的な診断基準として知られるDSMと、ICDとで疾患名などが相違する場合がありますが、改訂ごとに両者の内容をすり合わせる試みも検討されています。

このように国際的な診断基準がそれぞれ改訂されていくにつれて、各国にまたがった横断的な研究も行いやすくなってきています。

ICDは臨床現場でも用いられていますが、あくまで統計分類のために作成されたものであり、本来は医学用語集ではありません。
そのため、臨床的には異なる診断がつく2つの疾患が、ICDを用いると同じ診断名で分類されるという場合もありえるので、そういった場合はICDを使うとやや大雑把な診断になってしまうというデメリットもあります。

ICDは、もともとは国際死因分類とされていましたが、WHOが発足した1948年に第6回の修正が行われ、その時に国際疾病分類という名前に変わりました。

最初に日本に国際死因分類が導入されたのは1900年で、それ以来約10年ごとに改訂するとともに日本版も改訂が行われてきています。
日本では、ICD-10に基づいて分類されたデータをもとに、死因統計を公表しています。

 

現在の最新版は第10版であるICD-10で、現在はICD-11への改訂が進められている所です。

ICD-9からICD-10に改訂された時の大きな変更点として、ICD-9まで使われていた「神経症」という概念が、ICD-10では採用されなくなったということが挙げられます。

一部「神経症性」という用語は残された箇所もありますが、この変更は精神医学・心理学の分野で賛否両論があります。

MEMO

DSMが精神疾患を診断するための基準に重きを置いて編集されている一方で、ICDは疫学調査を想定して作られています。ICDはWHOが発表している疾病分類マニュアルということもあり、行政や司法の場で使われることが多いようです。

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