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対象喪失

対象喪失

対象喪失とは、自分にとって大切なものを失うことです。

ここで言う対象とは、強い情緒的な結びつき、すなわち愛着を感じる存在のことを言います。

 

対象は近親者や友人など実在する人物や、幻想の中の人物など実際には合うことができない存在のこともありますし、人ではなく長年勤めた会社や、自分の健康が対象となる場合もあります。

したがって対象喪失は、誰かとの死別や別離に限らず、強い情緒的なつながりのある対象を失うことを指します。
対象喪失が生じると大きなストレスがかかり、また喪失感や悲しみなどの強い感情が生じるため、抑うつ状態になるなど適応上の問題が出てくることもあります。

 

例えば配偶者を失った人は、1年以内の死亡率が高いと言われています。
また、ずっと元気だった人でも、大きな病気にかかっていると急に診断されると一気に病状が進行してしまうことがあります。

こうした例は、もともと病気を持っていたからというだけでは説明しきれず、配偶者や自分の健康という愛着対象を急に喪失したことでストレスが増大したと考えることができるでしょう。

覚えておきたい関連キーワード

  1. 愛着対象
  2. 喪の作業
  3. 両価的感情

補足ポイント

このような愛着の対象を失った後の反応や、それに対処していく過程のことを喪の作業と言います。

愛着の対象を失った後は、悲哀の感情だけではなく怒りや憎しみが湧き出てくることもあります。
一般的に対象を喪失した人は、1年程度はこうした両価的感情を経験すると言われます。

愛着の対象がもう存在しないと頭では分かっていても初めのうちはそれを受け容れられず、何かの間違いではないかと現実否認を行ったり、実らないと分かっていながらも対象を探し出そうと試みたりします。

そのうちに自分を置いて行った対象に対して恨みや怒りの感情が浮かぶこともあります。
そして、何をしても対象は戻ってこないことを知的に理解するだけではなく、心から理解されてくると、絶望感や大きな悲しみが襲ってきます。

そうした矛盾した感情を経験することを繰り返して、人は喪失を乗り越えることができ、やがて新たな対象へと愛着を向けかえていくことができるようになります。

 

近親者の死や長年過ごした環境からの別離などはとても大きな対象喪失体験になりますが、それよりは小さなことも含めて、ライフサイクルの中で人は常に対象喪失を繰り返しているとも言えます。

学校を卒業して友達や先生と別れたり、大切にしていた道具が壊れてしまったり、また思春期に入って親への依存から離れるのも一種の対象喪失です。
親の依存から抜け出すプロセスは第二の分離・個体化と呼ばれ、青年期の発達において重要なものと考えられています。

MEMO

喪の作業の過程において、人は喪失対象に対して怒りや憎しみの感情を抱いたりすることがあります。さらにはメランコリーな状態に陥り、自我感情が低下することもあります。
そうした状況を回避して健全に喪の作業を進めていくには、自己と喪失対象の分化が1つのポイントとなります。

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