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自己愛

自己愛

自己愛とは、自分自身を対象とした愛のことです。

精神分析の考えでは、リビドーが自己表象に備給されている状態となります。

病的な自己愛の場合、他者との共感や対等な交流が困難で、常に自分自身の欲求の充足や感情の表出が優先されます。

 

フロイト,S.は、リビドーが他者でなく自我に向けられた状態は、乳幼児期に見られる未成熟の状態であると考えました。

そして、本来、対象愛に支配されるはずの青年期以降に自己愛の状態が顕著に見られる場合には、それは退行であり、病的状態であると捉えました。

 

一方、コフート,H.は、自己愛は児童期以降も対象愛と並行して存在するものであり、そのバランスが病的傾向の有無を決定するとしています。
そして、健全な自己愛が存在して、はじめて健全な対象愛の状態へと発達すると考えました。

さらに、自己愛の障害とは、乳幼児期に自己愛が満たされなかったことに関する無意識の欲求不満や葛藤が、その後の強いストレス体験により再燃化し、自己愛の希求が肥大化したために起こると捉えました。

覚えておきたい関連キーワード

  1. リビドーの備給
  2. フロイト,S.
  3. コフート,H.
  4. 対象愛
  5. 自己愛性パーソナリティ障害

補足ポイント

病的な自己愛に関して、よく知られているのが自己愛性パーソナリティ障害です。

自己愛性パーソナリティ障害は、パーソナリティ障害の分類において、B群(境界例概念と親和性が高く、劇的、情動的、奔放な行動や態度を特徴とする)に属します。

DSMの診断基準によれば、まず、誇大性、賞賛されたいという欲求、共感の欠如が特徴とされます。

 

もう少し具体的に特徴を挙げていきましょう。

まず、自分の業績や才能を誇張したり、十分な実績がないにもかかわらず優れていると認められたがります。

常に過剰な賞賛を求め、尊大で傲慢な行動や態度をとります。

自分は特別であり、他の特別な人や地位の高い人たちにしか理解されないという信念があります。

そのため、自分だけ特別有利な取り計らいを求めたり、また、自分の期待に周りが自動的に従うことを期待し、自分自身の目的を達成するために、相手を不当に利用したりすることもあります。

さらに、共感性に欠け、他人の気持ちや欲求に気づきません。
しばしば他人に嫉妬し、また、他人が自分に嫉妬していると思い込みます。

 

最後に治療・対応についてですが、自己愛性パーソナリティ障害の治療のゴールは、他人の気持ちを汲めるようになることです。
それには、主に心理療法が行なわれます。

ただ、他人の気持ちを汲めるようになるということは、自分の優越性をある程度否定することでもあります。
本人にとって受け入れがたいことであるため、この障害は治療が難しい傾向があります。

また、薬物療法が必要か否かは病状によりますが、この障害では、年齢を重ねるにつれ、自己愛の源である、性的魅力や肉体的能力などが失われて、気分が落ちこみがちになることから、薬物療法が望ましくなるケースも少なくありません。

MEMO

自己愛とは言い換えれば、自らを大切に思う気持ちであり、生きていく上では重要な感情と言えます。
ただ、それがあまりに大きすぎると、自己愛性パーソナリティ障害のような症状を発し、円滑な人間関係や築いたり、豊かな社会生活を送ることに支障が出てくるのです。

自己愛性パーソナリティ障害は治療が難しい障害の1つですが、他者への献身、つまり自分以外の人のために生きる喜びに目覚めたときに、自分への過剰なとらわれから解放されると言われています。

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