てんかんの定義
てんかんとは慢性の脳疾患の1つです。
主な症状はてんかん発作で、これは大脳の神経細胞(ニューロン)の活動リズムが崩れることで生じます。
てんかん発作が1回起きただけではてんかんとは言えず、発作が繰り返し生じると、てんかんと診断されます。
てんかんは神経症状だけではなく精神症状も見られることもあり、かつては統合失調症や躁うつ病と共に三大精神病の1つとされることもありました。
しかし、てんかんの神経学的理解が進んだことにより、現在ではてんかんは、精神疾患というより神経疾患であると認識されています。
てんかんの関連キーワード
- 神経細胞(ニューロン)の電気活動
- 全般発作
- 部分発作
- 症候性てんかん
- 特発性てんかん
- 脳波検査
てんかんの補足ポイント
てんかん発作の症状は全般発作と部分発作という2つに分けられ、運動、意識、知覚や行動の異常などが見られます。
全般発作には、意識を失って全身が硬直して痙攣する強直間代発作、数秒から数十秒間意識を失うがその後すぐに回復する単純欠神発作、意識障害に加えて、身体をびくっとさせるなど他の症状も伴う複雑欠神発作、急に全身の力が抜けて倒れてしまう脱力発作などが含まれます。
部分発作には、意識は保たれるもののごく軽い痙攣を生じたり、漠然とした違和感を感じる単純部分発作、意識障害があり突然動作が止まったりする複雑部分発作、部分発作から全身の痙攣に至る二次性全般化発作などが含まれます。
てんかんはその原因から、症候性てんかんと特発性てんかんの2つに分けられます。
症候性てんかんは、脳に何らかの異常があったり、外傷を被ったりすることで生じるてんかんです。
先天的な脳異常や脳炎、脳梗塞などから生じることがあります。
特発性てんかんは原因不明のてんかんという意味で、検査などをしてもてんかん症状の説明がつかないものを言います。
てんかんは3歳以下の発病が60%、18歳以前の発病が80%と言われています。
しかし成人以降に発病することもあり、高齢になって脳血管障害を生じたことにより、てんかんも発病する事例も増えてきています。
てんかんの検査は脳波検査が中心となりますが、その他にCTやMRIなどの脳画像検査、血液検査や尿検査も行われます。
てんかん発作は、脳神経細胞の電気活動が過剰になることで生じます。
この脳の活動は脳波計で記録することができるので、診断を行うためには脳波検査が欠かせません。
また脳波計に表れた波形の違いによって、てんかん発作がどの種類なのかを判定することも可能です。
CTやMRIは脳の疾患や外傷などを確認できるので、てんかん発作が生じる原因を探る上で有効です。
同様に血液検査や尿検査は、てんかん症状を起こしている内科的疾患がないかを確認できるので、てんかんの鑑別診断を行うために重要です。
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