「臨床心理士指定大学院 入試対策講座」 無料の資料請求受付中!

固着

固着

精神分析的発達理論においての固着とは、リビドーが特定の発達段階に停滞し、その後のパーソナリティ傾向に影響を与えてしまうことを指します。

これは、各段階でリビドーが十分に解消されなかったり、逆に過剰な満足が与えられたことが原因とされています。

 

リビドーとは、生物学的基盤を持つ性的欲動です。
人間の行動を無意識的に規定する心的エネルギーです。
この充足-阻害によって、精神状態や行動が決定されるとされています。

 

精神分析的発達理論では、さまざまな精神疾患、不適応行動は、過去の発達段階における強いストレス体験などにより、その不安・葛藤が身体症状や行動的病理に置き換えられていると見なします。

固着があると、成長後に心理的に処理できないような感情やストレス、葛藤を抱えた場合、心理状態が固着点にまで退行しまいます。

その結果、幼稚で未熟な防衛機制が働き、程度が過度になると精神症状が形成されることになるのです。

覚えておきたい関連キーワード

  1. 精神分析
  2. リビドー
  3. 防衛機制
  4. フロイト,S.
  5. アブラハム,K.

補足ポイント

リビドーがどの部位で充足されるかにより分類されたのが、フロイト,S.の心理的性的発達論の発達段階です。

口唇期・肛門期・男根期・潜伏期・性器期がありますが、精神分析においては、それぞれの発達段階にリビドーが退行して固着すると、口唇期性格や肛門期性格、男根期性格といった、独特の特徴を持った性格構造が形成されることになると考えられています。

 

さらに、アブラハム,K.は、精神症状の形成維持の要因としても、このリビドーの退行・固着を仮定しました。

では、各段階における固着とパーソナリティ傾向や関連する精神症状を見ていきましょう。

 

口唇期における固着は、性格的には、依存的・受動的で、自分の目的のために他の人を利用しようとする傾向を生じさせると言われています。

そして、飲食や喫煙など口からの満足を求めやすく、精神疾患では、薬物やアルコールの依存、うつ病などの気障害と関係が深いと考えられています。

 

肛門期における固着は、几帳面、倹約的、わがまま、頑固な傾向になるとされています。
そして、いわゆる強迫性障害を呈しやすいとされています。

 

男根期における固着は、活動性の高さ、尊大さ、自己愛的、虚栄心といった性格特徴につながるとされています。
そして、ヒステリー、現在でいう身体表現化障害や転換性障害、また、不安性障害の発症要因と考えられています。

なお、アブラハムによれば、さらに口唇期以前の固着について、統合失調症との関連が指摘されています。

 

ただし、リビドー発達論に基づく精神病理学のモデルは、古典的な精神分析において画期的な理論とされましたが、科学的根拠がなく、エビデンス・ベースドな精神医学においては用いられることはほとんどありません。

MEMO
精神分析的な考え方に基づくと、例えば幼児期の排尿・排便のしつけにおいて何かつまずきがあると、リビドーが適切に発散されず、固着が人格形成に影響を与え、上記に挙げたような「几帳面」「わがまま」「頑固」といった性格になる可能性があると考えられています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です