葛藤

葛藤

葛藤の定義

葛藤とは、同程度の強さの2つの欲求が存在する際に、その両方を選択することはできないために悩み続け、どちらを取るか決めかねている状態のことを言います。

例えば身近な例では、食後のデザートをショートケーキにしようか、チーズケーキにしようかと迷って決めあぐねているような状態が当てはまるでしょう。

葛藤が生じてそれが長引くと、誰しもフラストレーション(欲求不満)を感じるようになりますが、それは人間に限らず動物全般にも当てはまることです。

フラストレーションを抱えた状態が長引くと、生理的にも心理的にも望ましくない状態になりやすいので、人はできるだけ葛藤を生じさせる場面を回避しようとする傾向があります。

葛藤の関連キーワード

  1. 同程度の強さの欲求
  2. フラストレーション
  3. 接近=接近の葛藤
  4. 回避=回避の葛藤
  5. 接近=回避の葛藤

葛藤の補足ポイント

レヴィン,K.は葛藤を以下の3種類に分類しました。
1つ目は接近=接近の葛藤です。これはどちらも近づきたい欲求の場合であり、先ほどあげたデザートの例(どちらのケーキも食べたい状況)が該当します。

2つ目は回避=回避の葛藤です。
これは2つの欲求がどちらも避けたい内容である場合を指します。
例えば、楽器の練習をするのも面倒くさいけれど、発表会で上手く弾けないのも嫌だといった状況が挙げられます。

3つ目は接近=回避の葛藤です。
これは1つの対象に対して、近づきたい気持ちと避けたい気持ちが混在している状況を指します。
例えば、ケーキは食べたいけれど太りたくない、旅行はしたいけれどあまりお金を使いたくないといった状態が挙げられます。

 
このレヴィンの分類の他、二重接近=回避の葛藤というものもあります。
これは接近=回避の葛藤が二重になったもので、2つの事柄がどちらも一長一短あってどちらを選択するか悩む状況を指します。

例えば車を買う時に、ある車はデザインが好みだが燃費が悪く、別の車は燃費は良いがデザインが好きではないといった場合です。

葛藤によりフラストレーションが生じた時は、何らかの方法により葛藤を解決したり、逃れようとしたりします。

楽器の例で対処法を挙げると、楽器の練習もしたくないし発表会で恥もかきたくないので、楽器自体を辞めてしまって、葛藤が生じる場面自体を避けるといったやり方もあるでしょう。

または、面倒でも練習を続けることで上達する楽しみがあるという風に、葛藤の対象に対する認知を変えるなどして対処することも可能です。

MEMO

葛藤は個人の中で生じるだけではなく、他者との関係の中で起きることもあります。

自分の考えを他者や社会が受け入れてくれないときや、考えが食い違うときは、意見の不一致や摩擦が生じます。

対人面で葛藤状況に陥ると大きなストレスがかかりやすいものですが、お互いの考え方の違いを理解し、折り合いをつけることを繰り返すことで、徐々に葛藤解決方略が身についていくと考えられています。